月の妹⑧ ワタリガラスの歌

ワタリガラスは世界を創った 大好きな酒を飲みながら創った だからこの世界はおかしなものになった 「おお、これはすばらしい。あなたは誰だ」 「・・・・・・わたしはクールキル(ワタリガラス)、自ら創造されたものだ」 ――チュクチ族の神話(「東北アジアの神話・伝説」荻原眞子)・チ...

月の妹⑦ 月 の 妹

月の妹はアリュート族(アリューシャン列島やアラスカ、シベリア東端の先住民)の民話です。 ある意味「かぐや姫」の話の透明性と通じるものがありそうです。もっともこちらのヒロインは年老いて死にますが・・・ 西欧の神話・民話とは異なり、この地域の話には明確な起承転結がわからないこと...

月の妹⑥ ナナイの夜

ナナイ族は、春に仔グマを捕らえる。捕らえて餌をやり3年過ごす。 ある日、飼い主は「さあ、祭りをやろう」と言う。「よかろう、ではクマの頭を奉り、ご馳走をこしらえ、客を招こう!」 ~東北アジアの神話・伝説 荻原眞子 (ナナイ族はアムール川流域、中国東北部に住むツングース系の少数民族)

月の妹⑤ サハリンロード

──サハリンの住人であるギリャク(ニブフ)、オロッコ、アイヌは木から生まれた。ギリャクはカラマツ、オロッコはシラカバ、アイヌはトドマツから生まれたとギリャクの言い伝えにある。最初のアイヌ、ギリャク、オロッコはこのような木の、木から流れ出て地上に滴り落ちる樹液^から生まれた。...

月の妹④ 安藤氏の舘(たち)~津軽の幻想

青森県の津軽半島の良港十三(とさ)湊(みなと)には、交易を求めて北方世界のさまざまな民族が集まってくる。 領主の安藤氏はたいへんな威勢があり、アイヌ民族がサハリンや大陸で元と戦ったことに影響したほどであった。 その領主が春の暖かな日、自らの舘に各民族の人々を集めて宴をもよお...

月の妹③ 国栖(くず)の歌

当時差別されていたクズと呼ばれる異族先住民がいて、国栖とも国巣とも書いてクズと呼ばれました。吉野のあたりにはそういう地名がありますが、常陸の国にもそういう先住民がいたそうです。 要するに中央政権から圧迫され侵略され疎まれた土蜘蛛(つちぐも)の類です。風土記の記述からは、彼ら...

月の妹② 倭のかなた

東国がまだ日本ではなかったころ、つまりヤマト政権の支配が及ぶ以前は東国はまだ「日本」ではなかったのでしょう。 歴史は日本は徐々に「日本」になってきたことを示しています。特に沖縄と北海道は実質的に明治時代から「日本」になったのですね。...

月の妹 ① シリーズについて

20世紀の終わりごろに「月の妹」という作品を創りました。タイトルはアリュート族の神話から取ったもので、このシリーズは東北アジアの神話研究者の荻原原眞子氏の著作によるところが大きいです。 作品はいくつかの小作品からなります。...